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カプコンの株主総会に行ってきました(2018年)

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昨年に続いてカプコンの株主総会に出席しました。場所は毎年恒例の天満橋駅直上のホテルの会議室で行われます。出席人数は100〜150人程度です。お土産などはなく、出席票のみを受付で渡されます 。

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午前10時に辻本憲三会長が議長となり開会が宣言されます。

まず、監査法人からの報告などの議事が行われ、続いて2017年度の経営報告、今後の課題等がモニターで放映されます。
簡単にまとめると


・モンスターハンター(モンハン)ワールドは全世界で750万本突破、当社では歴代最高の金字塔

・eスポーツへの本格参入を見据え「カプコンeスポーツクラブ」を新設

・家庭用ゲーム機に傾注していくための開発陣の拡充

・従来のパッケージに加え、継続的な利益の見込めるダウンロード販売の充実

・「バイオハザード7 レジデント イービル」「モンハンダブルクロス」は堅調、「ウルトラストリートファイター2」はスマッシュヒット、「マーベルvsカプコン:インフィニット」は軟調

・遊技機、メダルゲーム部門は苦戦し営業赤字に

・ゲーム業界でもAIの活用が進むなど、状況が激変し、今後は勝ち組、負け組がオセロのように入れ替わることもありうる。勝ち残るために重要部門、成長分野に経営資源を投入していく

・海外市場を重視する。当社は世界有数のコンテンツホルダーであり、「これらを「メイド・イン・カプコン」としてアピールすることでグローバル展開を図っていく

という感じです。


このあと質疑応答が行われましたので、書いていきます。メモを取りながら聞いていたので、一言一句同じではないです。正確な質問、回答は後日掲載されるカプコン公式のwebサイトをご覧ください。

 

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・(質問者)カプコンの今季についてはモンスターハンターワールドなどPS4向けの貢献が大きかったと思う。一方で昨年はSwitchが爆発的なヒットとなった状況で、カプコンが今後PS4、XBOX one、switchにどれぐらいの比率でソフトを出すのか教えてほしい。またeスポーツに対する取り組みは?

 

・(辻本春弘社長)(具体的な比率の数字は出さず)各機種のスペック等を見ながら適切にソフトを出していくつもり。eスポーツのマルチプレイについては3ヶ月ほど前からストリートファイターVがチームバトルで対応しているが、今後も注力していきたい。

 

・(辻本憲三会長)モンハンワールドについては(PS4、Xbox Oneといった)スペックが高いゲーム機で出したことが大きいと思っている。4K、60インチ対応といった点はSwitchではできない。一方でSwitch等任天堂向けにもそのハードにあったモンハンも出している。

 

また、マーケット的な観点から見ても(PS4、Xbox Oneで)1億台を超えていて、この20%に売っても2000万本になる。このマーケットは美味しいと考えている。

 

当社の持っているコンテンツはハリウッドでも採用(バイオハザードなど)されているという点は他社にはない強みであり、これを活かしていくためにスペックを満たしていくようなソフトを作っていきたい。

 

今後、4Gから5G、6Gと上がっていくが(ゲーム機の通信スペックの話と思います)、1G上がっていくと性能が100倍になると言われており、6Gになると現状の一万倍になる。これに対応していくことが重要。

 

PCはスペック的には高いが家庭用に比べマーケットは小さい。モバイルはスペック的に当社のコンテンツには合わない。

 

eスポーツについては勝ち負けを競うということを観客に見てもらうという点が大きい。少年野球をやっていた人たちが甲子園を目指すといったことと同じことがゲームの世界で起きている。

 

こういった状況において当社もストリートファイターを複数人での対戦を可能にしている。今後もeスポーツに注力していく。

 

また、当社は新卒の方の就職希望をたくさんいただいていて、昨年も150人ほど採用した。人材面での充実もさらにはかっていきたい。

(回答ここまで)

 

どのゲーム機を重視するのかという質問に対して、辻本春弘社長が慎重な言い回しをされていたのに比べて、辻本憲三会長はかなりスペック重視、マーケット規模重視の姿勢を取られていることが伺えました。株式会社としては当然の姿勢であるし、おそらく家庭用ゲーム機はまだまだスペック的には上がっていき、カプコンはそこでリードしていきたいという考えがあるように思いました。やはり、モンハンワールドの成功がかなり大きな影響を与えているのではないでしょうか。

 

会長の発言が即カプコン全体の方針であるかは分かりませんが、今後もPS4を中心に全プラットフォームにそれらの性能に応じたゲームを出していくと思います。

 

一方でモバイルについてはかなりトーンダウンしている感じかあり、家庭用ゲーム重視、eスポーツ重視の姿勢であることが分かりました。

 

質問者は1名のみで総会に要した時間は55分程度でした。毎年カプコンの総会はゲームファン的な株主が少なく、取引先や関係会社と思われる株主と一般個人投資家の株主で大半を占めるのが特徴です。

 

辻本憲三会長は結構色々話してくれる方です。質問者の数も少なく任天堂など他のゲーム会社の総会に比べて、競争率も低いので、会長から色々聞いてみたい方にとってはよい総会かと思います。