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私はなぜ任天堂株で失敗してしまったのか

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・DSブームで買い大失敗

私が人生で初めて任天堂株を買ったのは

2008年でした。

DSブーム、脳トレブームの真っ只中です。

後からチャートで振り返るととんでもない

高値で買っていて、まさにネギを大量に

背負ったカモとなっていました。

 

しかし、当時の私はこの取引を

合理性のあるものとして考えていました。

当時、私が買った頃の任天堂の株価は

53,000円程度でした。

 

今の株価からするととんでもなく高いの

ですが、当時は最高値73,000円まで

上り詰めた後の下落過程の半ばにありました。

最高値からは2万円も下がっているのです。

私にはとても魅力的な安値に思えました。

 

・自分に都合のいい解釈

ただ、私もそれだけで買った訳ではなく、

他にも根拠(今考えると根拠と呼べるような

ものではないのですが)があって、まず

PER(注1)が20倍程度と安くはないものの、

そこまでべらぼうに高いという水準では

なかったのです。

 

ただ、これはもちろん当時の任天堂がDSや

Wiiのバカ売れによって稼いだ利益に基づく

数値であってこれを根拠に買うのは

かなり危険なものだったのです。

 

またPBR(注2)ですが、こちらはかなり

割高の5倍程度となっていましたが

当時の私はこう考えました。

「確かに任天堂の持っている資産から考えると

今のPBRは割高かもしれないが、その資産には

マリオやゼルダといったキャラクター資産は

含まれていない。

他にもどうぶつの森、メトロイド、カービィ、

ゲーム&ウォッチ、スマブラ、ポケモン

(実際には任天堂自身のキャラではない)

などなどあらゆるキャラクターがいることを

考えたら今のPBRは実質的にもっと低くて

1倍程度ではないか、それなら今の水準でも

かなり割安だ」と考えた訳です。

 

実際、マイクロソフトがゲーム市場参入前に

任天堂に対し、マリオのキャラクター権利を

6000億円で売らないかと打診し、任天堂が

断ったなどという噂話もありましたし、

任天堂のキャラクターは相当な価値を持つ

だろうと思いました。

具体的にはマイクロソフトがマリオにつけた

6000億円は安すぎでマリオだけで1兆円、

他のキャラクターと合わせて1兆5000億円は

最低でも下回らないと考えました。

 

・焦る気持ちが大失敗に直結

そうすると、5万円という任天堂の株価はあり

得ない安値であり、今買わないと数年後には

10万円を突破しているかもしれないという

焦りが出てきました。

 

こうして私は任天堂株を急いで買うことに

なるのでした。

 

その後の経緯は誰もがご存知のところで、

徐々に勢いを失っていったDS、Wiiをその後の

3DS、WiiUで取り戻すことはできず、株価は

下落の一途を辿ります。

 

結局、3万円前後のところで膨張する含み損に

耐えることができず、損切りし、100万円以上

の損失を出すことになりました。

 

ただ、資金力がなく単元未満株での取引だった

こと、信用取引に手を出さなかったことで、

株式市場からの退場は免れました。

 

 この取引において一番の罠は最初に自分の

心の中に「任天堂株を買いたい」という

気持ちがあってそれを前提にして、

その気持ちを否定しない(任天堂株を買うと

いう結論を出せる)材料ばかり探していたと

いうことです。

いうなれば、バイアスがかかっていた訳で、

最初から任天堂株を買わないという結論に

至る可能性は全くなかつたということです。

 

・意志が弱くても株式市場で生き残るために

この時のことは大いに反省しました。

しかしこの時の任天堂のように市場から注目

されている銘柄があった場合、私の性格的に

それが一度気になってしまうと、頭では割高

だと分かっていたとしても、それを自分の心で

否定することは意志の弱い私には難しいこと

だというのもまた事実でした。

 

最近も本来私が買っているゲーム銘柄ではない

小野薬品がオプジーボという薬品で株価が急上昇

しているのを見て、気になって仕方がありません

でした。

 

この気持ちに抗うためには、頭で言い聞かせる

のは全く効果がありません。

それができるくらいなら最初からそんな銘柄は

気にもなっていないでしょう。

一時はそれで心の平静が保ててもまた時間が経てば

「やっぱりそうは言っても今買った方がいいじゃ

ないか」という気持ちが湧き出てくるのです。

特にその対象の銘柄の株価が上げ続けている時は

そういう気持ちになりやすいです。

 

結局、いろいろ考えた末、私の場合は具体的な

数字で説得するしかないという結論に至りました。

 

私はこの任天堂株での失敗の後、PBRが2倍を

超えた銘柄は購入しないと決めました。

もしこのルールを外すと、任天堂の時のように

自分に都合のよい材料を見つけ出しては割高な

株に平気で手を出してしまうからです。

 

特にゲーム株というのは貸借対照表には

表れないキャラクターやゲームタイトルを

多数保有しているケースが多く、そのため

つい見積もりが甘くなってしまいがちです。

 

「数字上は割高だけど、こんなに優良なIPを

多数抱えている」

 

「今は稼げてないけど、素晴らしい開発力を

持ってるのだから、いずれパズドラのような

成功をおさめるにちがいない」

 

などとよい方向ばかりに考えてしまいがち

なのですが、どこかで何かの明確な基準を

持っていないとゲーム株の持つ甘い罠に

はまってしまうと思います。

 

 私の場合はPBRを基準にして、いかに

世間で良いと呼ばれている銘柄であろうと

株価が上げ続けていようと、素晴らしい

ゲームを生み出していようとPBRが

2倍を超えていない場合は一切買わない

ことにしました。

 

今持っている銘柄も全てPBR2倍以下の時に

買ったものです。

 

これによってパズドラブームで株価が

何倍にもなっている最中のガンホーオンライン

や黒猫、白猫で今も躍進中のコロプラを

見逃していますが、これは再び大火傷を

負わないためには仕方がなかったことだと

思います。

 

うまく大相場に乗れる才能や反射神経が

備わっていればよかったのですが、私には

悲しいかなそのような才能は皆無でした。

 

そんな私が大好きなゲーム株を持ち、かつ

損失を出さずに長年付き合っていくためには

明確な基準を打ち出すことが不可欠だった

わけです。

 

やはり一般的な投資家には、そのような人それぞれ

の基準を持った上で市場に臨むことが必要では

ないでしょうか。

 

(注1)PER=株価収益率。その企業の時価総額

(注3)をその企業がその年に稼いだ純利益

または来年度に稼ぐ予定の純利益で割ったもの。

この数値が低ければ、会社の価値が低く見積も

られている割によく稼いでいるということになり

その株は割安だと判断される。

一般的に10倍を割れば割安とされるが、純利益は

数字が大きくブレやすいため、突然割高に

なったりもする。

 

(注2)PBR=株価純資産倍率。簡単に言うと

時価総額をその企業が持っている資産で割ったもの。

これが1倍未満だと時価総額より、資産の方が多い

ことになり、計算上、その会社を買収するのに

かかる金額より、買収後手に入る資産の額の方が

大きいことになるから割安とされる。

 

(注3)時価総額=株価と発行済み株式数でかけた

数値。この時価総額分に金額を出せば、理論上

その企業を丸ごと買収できることになるため、

会社の値段、などと言われる。

 

 

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