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書評「ゲーム界のトップに立った天才プログラマー岩田聡の原点」

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「ゲーム界のトップに立った天才プログラマー 岩田聡の原点: 高校同期生26人の証言」というKindleの書籍があります。これを読みましたので感想を書きたいと思います。

 

ゲーム界のトップに立った天才プログラマー 岩田聡の原点: 高校同期生26人の証言

ゲーム界のトップに立った天才プログラマー 岩田聡の原点: 高校同期生26人の証言

 

 

 

著者は「岩田聡の記録を残す会」となっていて、これは任天堂岩田聡前社長の高校時代の同級生など有志が当時を中心に証言をしています。

 

岩田氏がプログラミング電卓でゲームを作っていたことは有名ですが、具体的にどのような仕組みのゲームだったのか、また、いかに岩田氏が当時からゲームの細部(画面に文字を表示するタイミング等)にこだわっていたのかが同級生の視点から語られており、岩田氏の稀有な才能とこだわりに触れることができます。

 

また、所属のバレーボール部でもレギュラー選手の特徴や、弱点、相手チームの分析を行うなど相当な先見の明を持っていたようです。(当時のスポーツ界は精神論優位でデータを重視する人は極めて少数派であった)

 

また、任天堂社長就任後は同窓会でヒーローとなったが、誠実な人柄は変わることがなかったことや亡くなる直前までその年の同窓会に出席できないことを気にしていたことなど岩田氏がいかに周りに気を配る人であったのかをうかがい知ることができます。

(個人的にこの同窓会のエピソードはその後の岩田氏の葬儀でのエピソードまで含めて、極めて衝撃的でまた感動的であり、本書で最も印象に残っている箇所です) 

 

本書は岩田前社長の高校時代を中心にあまり語られることのなかったエピソードがつまっています。その分、大学時代、ハル研究所時代、任天堂時代のエピソードはあまり触れられておらず、その部分を期待すると裏切られることになるかと思います。

 

しかし、今までベールに包まれていたとも言うべき岩田氏の高校時代の様子がかなり克明に語られており、岩田氏のあるいは現在の任天堂のある意味原点とも言える物語が多数記載されていて、その点で貴重な書籍だと思います。

 

また、感情を出来るだけ排除して、事実だけを語ろうとする著者の姿勢が感じ取られ、その分、若き日の岩田氏の本当の姿が浮かび上がっているように感じました。

 

岩田氏の高校時代の写真や化学のノートなどの資料、また巻末には同級生と岩田氏の対談も載っていて、岩田氏の仕事観や今後の任天堂に関するビジョンなどについても触れられており、こういった点でも貴重な一冊(kindleですが)と言えます。

 

この書籍は岩田聡ファン、任天堂ファンにとっては一読の価値があるでしょう。